(1)非上場株式に係る相続税の80%納税猶予
一定の要件を満たす場合、相続等により後継者が取得した非上場株式の課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。
(2)非上場株式に係る贈与税の納税猶予
一定の要件を満たす場合、贈与により後継者が取得した非上場株式に対応する贈与税の納税が猶予されます。
(3)みなし配当課税に関する特例
個人株主が非上場株式を発行会社に売却した場合、会社が自己株式を取得したことになります。この場合、個人株主に対しては、通常、売却価格の一部が配当所得とされ、総合課税の対象となります(所得税・住民税合わせて最高50%の税率により課税)。ただし、個人株主が相続等により取得した非上場株式を発行会社へ売却した場合で下記要件を満たす場合は配当所得とされず、譲渡所得等として申告分離課税の対象となります(所得税・住民税合わせて20%の税率により課税)。
<要件>
A.個人が相続等により非上場株式を取得して、相続税を納付すること。
B.相続税の申告期限の翌日から3年経過日までに、対象となる非上場株式を発行会社に売却すること。
(4)小規模宅地等の課税特例
この特例は、被相続人等が居住していたり事業を営んでいた敷地を相続しても評価額が高いために相続税の資金を捻出できず手放す事態を避けるために設けられました。したがって、相続開始前の状態を維持していることを前提として、評価額の50~80%が減額されます。詳細は下記の通りです。(平成27年1月1日現在)
相続開始時の用途 | 取得親族の要件 | 限度面積 | 減額割合 |
被相続人等の事業用 | 事業継続・保有継続 | 400㎡ | 80% |
特定同族会社の事業用 | 事業継続・保有継続 | 400㎡ | 80% |
被相続人等の貸付事業用 | 貸付事業継続・保有継続 | 200㎡ | 50% |
被相続人等の居住用宅地等 | 同居親族の居住継続・保有継続 | 330㎡ | 80% |