資金調達方法としては、民間金融機関からの融資のほかに、政府系金融機関からの低利融資があります。
また、金融機関からの融資を受け易くするため、信用保証協会による信用保証の活用も見逃せません。
さらに、中小企業投資育成会社の活用も視野に入れることで、戦略の幅が広がります。
(1)政策金融公庫からの融資
①自社株式等の取得を行う会社への融資
相続等による株式等の分散を防ぐため、会社が自社株式等の取得を行う場合、その買取資金の融資を受けることができます。
②後継者個人への融資
後継者が自社株式や事業用資産を買い取ったり、相続税や贈与税の納税を行う場合には、経営承継円滑化法に基づく認定を得て融資を受けることができます。
③親族外承継を行う場合の融資
後継者がいない会社を親族以外の者が承継する場合も、その買取資金を融資してもらうことが可能です。
(2)信用保証協会の活用
経営承継円滑化法に基づく認定を受けた中小企業者は、事業承継に関する資金を信用保証協会を活用して、金融機関から借り入れる場合は、通常保証枠とは別に下記の枠が用意されています。
・普通保険=2億円
・無担保保険=8,000万円
・特別小口保険=1,250万円
(3)中小企業投資育成会社の活用
①投資育成会社とは
中小企業への投資・育成を目的とした政策実施機関です。
現在東京・名古屋・大阪にあります。
②事業内容
資本金3億円以下の中小企業に対し、その株式、新株予約権付社債等の引受けを行うことで、担保不要の長期安定資金として投資します。投資後は投資先企業の自主性を尊重しつつ、各種経営相談に応じ、成長を支援します。
③事業承継におけるメリット
■ 後継者の経営承継支援
投資会社は、後継者に対して各種経営アドバイスを行うとともに、研修会や交流会を開催しています。
■ 後継者の経営権の安定
不幸にして、株式が分散して後継者の持株比率が低い場合でも、投資育成会社が長期安定株主として後継者を支援します。
■ 補佐陣の教育など組織体制の強化
階層別研修を実施して補佐する人達を教育します。また、適切な人材の紹介もします。